見せかけの回帰に関する確認作業

多変量時系列データを扱う際に頭に入れておいたほうが良い分岐図(単位根検定、見せかけの回帰、共和分)を描いた。
「経済・ファイナンスデータの計量時系列分析(通称、沖本本)」p.128などをもとに作成。
ここでは、複数の場合の最も簡単な場合である、2つの場合を扱う。
2つの時系列データがある場面において、以下のような分岐を頭に浮かべ、確認作業をするといいと思う。

VAR、状態空間モデル、RNNなどで多変量時系列データを扱う場合だけでなく、
相互相関係数、相互相関関数を求める場合でも、やったほうがいいのではないか? 
(相互相関係数や相互相関関数を求める場合では、見せかけの回帰の確認について言及されているものを見ないなあ。なんでだろ?)

f:id:DS_REG_20170701:20220214202637p:plain
分岐図

時系列データに単位根過程があった場合の対処法は、沖本本のpp.127-128にあるようにVARなどを使えばいいらしいが、その場合のVAR(単位根VAR)モデルでは、グレンジャー因果性検定などが有効でなくなるとあり、「ダメじゃん」って気持ちになってる・・・。

他の本「時系列分析と状態空間モデルの基礎(通称、ハヤブサ本)」p.131には、

  • まずは、単位根の有無を検定。
  • 単位根がなければ一般化最小二乗法を適用
  • 単位根があれば共和分の有無を確認した上で、共和分がなければ差分系列への回帰分析を実行する

とある。
(共和分がある場合については、p.140を見る限り、単位根がないときと同様に処理できるということでよい?)